重度歯肉炎 – 20代男性
初診
21歳の大学生です。初診時、歯肉の腫れが強く、出血も全体に見られ口臭もありました。
歯を支えている骨の吸収はなく、重度の歯肉炎でした。少しでも歯ブラシを当てると出血し、痛くて磨けない状態でした。
はじめは通常の歯ブラシを当てることができず、毛筆の筆のような柔らかい歯ブラシでなでるようにブラッシングをしてもらうよう指導しました。プラークの付着具合を確認しながら歯ブラシの大きさ、硬さを変更し、患者さん自身でブラッシングができるまで2週ごとに来院してもらうようにしました。
鏡で見てもらったり、歯の表面を染色してプラークの付き具合を確認してもらいながら、どうしてこのようになったか、どのようにすれば改善できるかなどをじっくりと説明しました。
2週間経過
2週間後、赤みは改善してきましたが、歯ぐきの腫れは認められました。
染め出しした状態で濃く染まっている部分にプラークが付着しています。とくに上顎右側と左側に差があり、患者さんのブラッシング時のくせがわかります。
初診時
2週間経過
4週間経過
さらに2週間経過して歯肉縁のスケーリングを開始し、タフトブラシも導入しました。
初診時
4週間経過
タイトブラシ
6週間経過
歯肉の炎症がかなりコントロールされてきており、ブラッシング時の痛みも緩和しました。この段階でジェル状の表面麻酔剤を用いて歯肉縁下の歯石除去を行いました。
6週間経過
表面麻酔
歯肉縁下の歯石除去
8週間経過
さらに良好な状態に改善するにつれ、フロスの使用や歯ブラシの硬さを変更しました。この段階まで来ると患者さん自身にも治療への理解が深まってきました。
6週間経過時点
8週間経過
フロス
10週間経過
とくにブラッシング時の痛みもなく、表面上の歯肉の炎症もかなり改善しました。これから後、麻酔下で歯肉縁下の歯石除去(SRP:スケーリングルートプレーニング)を開始することとしました。
浸潤麻酔下でのSRP
浸潤麻酔下での歯石除去と歯牙表面の研磨を実施しました。
SRP
歯牙表面の研磨
再評価
再評価時の状態です。良い状態に改善しました。
再評価から2ヶ月後
再評価より2ヶ月の状態です。患者さんのモティベーションも継続され、良好な状態が維持されています。
来院時年代・性別 | 20代 男性 |
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主訴 | 痛くて歯磨きができない |
診断 | 重度歯周炎 |
来院の経緯 | 21歳の大学生。当院に来院されている父親からのご紹介で来院。初診時、歯肉の腫れが強く、出血も全体に見られ口臭もあった。 |
治療内容 | 歯ブラシ指導、スケーリング、SRP(スケーリングルートプレーニング) |
治療期間 | 10週間 |
治療費 | 110,000円(税込) |
主なリスクや副作用 | 歯がしみる |
治療費や治療期間は人によって異なります。患者さんの状態や希望に合わせて治療内容は変わります。例えば、インプラントなのか義歯なのか、補綴は最上級のものかリーズナブルなものか、早く治療を完了させたいのかそうでないかなどです。
私たちは「治療結果が『長持ちする』こと」を大切にしています。それを実現する方法は様々ありますので、是非ご相談ください。
一般的な治療費はこちらをご覧ください。治療費のページへ。